無申告で税理士に断られた|断られる理由は5つあり、そのうち4つは次の相談で解消できる

「2件電話したんですが、どちらも断られました。無申告は受けていないと言われて」

無申告の相談で、こう切り出される方がいます。断られたことで「自分の状況はそんなにひどいのか」と受け取ってしまう方が多いのですが、断る側の事情はもっと単純です。税理士が無申告の相談を断る理由は、だいたい5つに分けられます。そのうち4つは、相談する側の状況が悪いからではなく、伝え方と相手の選び方で解消できます。

5つの理由と、次の相談で何を先に伝えればいいか、それから当事務所でも受けられない場合を書きます。

理由1:時期が悪い

一番多い理由は、相談した時期です。税理士事務所には、既存の顧問先の決算と申告が集中する時期があります。個人の確定申告が重なる1月から3月、3月決算法人の申告が集中する5月、それに事務所ごとの決算月の山です。この時期に無申告の相談が来ると、何期分もの帳簿をゼロから作る仕事を新しく抱える余力がなく、中身を聞く前に断ることがあります。

これは相談する側の状況とは関係ありません。同じ事務所に時期をずらして電話すれば受けてもらえる、ということも普通にあります。断られたときに「今は難しい」という言い方をされたなら、理由はこれです。

理由2:資料がどれだけあるか伝わっていない

「何年も申告していません」とだけ伝えると、税理士の側は最悪の状態を想定します。通帳がない、請求書がない、現金商売で記録がない、個人と事業の口座が混ざっている。その状態で何期分も作るのは、受ける側にとって一番重い仕事です。

実際には、通帳が残っていて、請求書を自分で発行していて、売上が振込中心なら、作業はかなり軽くなります。この違いが最初の電話で伝わっていないと、重いほうを想定して断られます。資料の状態は、相談の冒頭で先に言うべき情報です。何がどれだけ残っていれば軽いのかは無申告の税理士費用は何で決まるか|着手金がお見積りの半額になる理由に書いています。

資料が本当にない場合でも、受けられないわけではありません。売上を復元する方法は帳簿も領収書もない状態から申告できるかに書きました。ただ、その場合は手間がかかることを前提に、費用も時間もそのつもりで相談する必要があります。

理由3:税務署から連絡が来ている

すでに税務署から調査の連絡が来ていて、調査日が決まっている状態だと、期限が切られた仕事になります。短い期間に何期分かを仕上げて、調査にも同席する。これを受けられる事務所と受けられない事務所があります。調査対応の経験が少ない事務所は、この段階で断ることが多いです。

この理由で断られた場合は、相手の選び方を変える必要があります。調査の立会いを業務として普段からやっている事務所に、「調査日が決まっている」と最初に伝えて相談します。連絡が来てからでもできることは税務調査の連絡が来てから無申告を相談する|調査日までに申告を出せるか、出すと何が変わるかに書いています。調査日は動かせるので、断られて時間を使うより、受けられる事務所に早く着くほうが大事です。

理由4:顧問契約が前提の事務所に、単発で頼んでいる

税理士事務所の多くは、毎月の顧問契約を主な仕事にしています。無申告の整理は、過去の何期分かを一度に片づける単発の仕事なので、「その後も顧問として続けてもらえるなら受ける」という条件がつく事務所があります。過去分だけ頼みたい、と伝えると、そこで断られます。

これは良い悪いではなく、事務所の商売の組み立ての違いです。単発で受ける事務所もあるので、過去分だけ頼みたいなら、最初に「過去分の申告だけをお願いしたい」と言って、それで受けるかどうかを先に確認したほうが、お互いに時間を使いません。

当事務所は、過去分だけの依頼も受けています。整理が終わったあとに顧問として続けるかどうかは、そのときに別の話として決めていただければよい、という考え方です。無申告の相談に来た方が、過去分を片づけたあとで「今後はきちんとやりたい」となることは多いですが、それは結果であって条件ではありません。

理由5:隠したまま出そうとしている

5つのうち、これだけは相談する側の問題です。売上の一部を抜いたまま申告したい、通帳を全部は見せたくない、税務署に把握されている分だけ出したい。こういう依頼は、どの税理士も受けられません。税理士は税務署の側ではありませんが、虚偽の申告書を作る側にもなれないからです。

この理由で断られた方は、相手を変えても結果は同じです。変えるべきは、出す中身のほうです。全部出すつもりで相談し直せば、理由5は消えます。当事務所が受けられないケースについては税理士に無申告を相談したら、税務署に伝わるのかの後半に書きました。相談の内容が税務署に伝わることはありませんが、虚偽の申告には関われない、という線です。

次の相談で、最初の3分に伝えること

断られた経験がある方が次に相談するときは、最初の3分で次の5点を伝えると、受けられるかどうかの判断が早く出ます。

・個人事業か法人か。法人なら何期分か、個人なら何年分か

・売上の規模のおおよそ。1,000万円を超えている年があるか(消費税の有無が変わります)

・通帳と請求書がどれだけ残っているか。現金売上の記録があるか

・税務署から何か来ているか。封書のお尋ねか、電話か、調査日が決まっているか

・過去分だけの依頼か、今後も顧問を頼みたいか

この5点が最初にあれば、税理士の側は「受けられるか」「いつから着手できるか」「費用がどのくらいか」を、その電話の中でほぼ判断できます。逆にこれがないと、最悪を想定して断るか、面談の日程だけ決めて、面談で初めて状況が分かる、という時間の使い方になります。

一つだけ、断られたあとにやらないでいただきたいことがあります。断られたのをきっかけに、もう一度放置に戻ることです。2件断られて疲れて、そのまま半年、1年と経つ。その間に税務署からの連絡が来れば、加算税の区分は重いほうに移り、理由3が加わって、受けてくれる事務所はさらに絞られます。断られた日のうちに次の相談先に電話する、というのが、時間と金額の両方で一番損が少ない動きです。

断られたこと自体は、状況が悪いことの証明ではありません。時期と伝え方と相手の選び方で、4つの理由は消えます。残る一つは、出す中身を変えればなくなります。無申告の整理をどこから始めるかは無申告のまま何年も経っている|連絡が来る前に出すかどうかで、ここまで変わるにまとめています。

他で断られた方も、上の5点をお伝えください

過去分だけの依頼でも受けています。調査日が決まっている場合は、日程の調整から対応します。資料を見てからお見積りを出し、着手金はお見積りの半額です。

料金の考え方は 料金のご案内 をご覧ください。

電話:027-386-2807(平日9:00〜18:00)

住所:群馬県高崎市江木町610-10 ミノラスビル3階

ミノラス会計事務所 公認会計士・税理士・行政書士 長島祐太