株式会社と合同会社、どちらを選ぶか|私が株式会社を勧める理由【群馬・高崎】

「株式会社と合同会社、どっちがいいですか」

会社設立の相談で、ほぼ必ず出る質問です。

調べると「合同会社のほうが安い」「まず合同会社で始めて、後から株式会社にすればいい」と出てきます。私も以前は、そう説明していました。

私が自分の会社を作ったのは令和2年です。税理士事務所とは別に、会計コンサルティングをやる会社として立ち上げました。合同会社にしました。ひとりでやるつもりだったので、それで足りると思っていました。

令和7年、従業員を幹部に登用しようとしました。合同会社では、それができない。株式会社に変えました。司法書士に頼んで、20万円かかりました。

設立時の差は12万円です。5年後に20万円を払うことになるとは、令和2年の私は考えていませんでした。

設立費用は、株式会社が約18万円、合同会社が約6万円

法定費用から押さえます。電子定款を使う前提です。

株式会社

登録免許税:15万円(資本金の0.7%。15万円に満たない場合は15万円)

定款認証手数料:3万円〜5万円(資本金額により変動)

定款の収入印紙:0円(紙なら4万円)

合計:約18万円〜

合同会社

登録免許税:6万円(資本金の0.7%。6万円に満たない場合は6万円)

定款認証手数料:不要

定款の収入印紙:0円

合計:約6万円

差は12万円。合同会社が安いのは事実です。

ネット上には「合同会社10万円、株式会社25万円」という数字も残っています。紙の定款を前提にした古い情報です。電子定款なら印紙代4万円は消えます。専門家に頼めば、電子定款が標準です。

ここまでは法定費用の話です。専門家への手数料を含めた総額と依頼の流れは、群馬・高崎の会社設立サポートに書いています。

合同会社が安いのは、定款認証が不要だから

費用差の正体は、定款認証です。

株式会社は、作った定款を公証役場に持ち込み、公証人の認証を受けます。高崎なら高崎公証役場。手数料が3万円から5万円かかります。

合同会社に、この手続きはありません。定款を作って、そのまま法務局に申請できます。

これに登録免許税の差、15万円と6万円で9万円が乗る。合わせて12万円です。

それでも、私は株式会社を勧めます

創業期の14万円は、小さい金額ではありません。それでも、ほとんどの方に株式会社を勧めています。

合同会社には「取締役」を置けない

私が自分の会社を変えた理由は、これです。

合同会社に取締役はいません。経営に関わる人は「社員」と呼ばれ、原則として出資者を兼ねます。経営に加わってもらうには、出資してもらう。出資すれば、その人は持分を持ち、議決権を持ちます。

経営は手伝ってほしい。出資まではいらない。報酬は出すが、持分は渡したくない。この設計が、合同会社ではできません。

株式会社なら、株主と取締役を分けられます。役員をひとり増やしたい。配偶者を役員にしたい。将来、幹部を登用したい。その目が少しでもあるなら、株式会社です。

私が詰まったのは、従業員を幹部に上げようとしたときです。報酬を上げ、経営に関わってもらう。当たり前の話です。合同会社でそれをやるには、持分を渡すしかありませんでした。

融資は通る。取引先は別

「合同会社だと融資が通らない」は誤りです。日本政策金融公庫の創業融資は、合同会社でも通ります。私も支援しています。

取引先は別です。上場企業や中堅企業が相手だと、新規取引の与信で会社形態を見られることがあります。「合同会社だから取引しない」と言われることは、まずない。ただ、初対面で一言説明する手間は、毎回発生します。

BtoC、あるいは個人事業からの法人成りで取引先が固まっているなら、気にする必要はありません。

人を採る予定があるなら

求人票に「合同会社◯◯」と書けば、応募者は会社形態を検索します。「合同会社とは何か」を調べさせた時点で、ハードルがひとつ増える。新卒や若手を採るなら、この差は効きます。

群馬の中小企業は、慢性的に採用で苦しんでいます。わざわざ不利を背負う理由はありません。

「後から変えればいい」の落とし穴

合同会社は、後から株式会社に組織変更できます。これは事実です。多くの記事が「まず合同会社。軌道に乗ったら株式会社」と書いています。

いくらかかるかを書いた記事は、ほとんどありません。

私の場合、司法書士報酬を含めて20万円でした。組織変更には、株式会社の設立登記と合同会社の解散登記の両方が要ります。登録免許税がかかり、官報公告がかかり、定款も作り直す。設立より複雑です。

令和2年の私は、5年後に人を幹部に上げたくなるとは思っていませんでした。ひとりで完結する事業のつもりだったからです。

「後から変えられる」は事実です。ただし20万円かかる。そして、変える必要が出るかどうかは、設立の時点ではわかりません。

合同会社が向いているケース

合同会社が合理的な場面もあります。

ひとりで完結する事業で、人を増やす予定がない
役員を置く必要がないなら、株式会社の利点がひとつ消えます。ただし「予定がない」が5年後も続くかどうかは、別の話です。

相手がBtoCで、会社形態を問われない
飲食店、美容室、EC。個人のお客様が相手の事業。

決算公告を出したくない
株式会社には毎年の決算公告義務があります。官報で年6万円程度。多くの中小企業が出していないのが実態ですが、義務は義務です。合同会社にこの義務はありません。

役員の任期管理を避けたい
株式会社の取締役には任期があり、最長10年で重任登記が必要です(登録免許税1万円)。合同会社にはありません。

当てはまるなら、合同会社でいい。Amazon、Apple、Googleの日本法人は、いずれも合同会社です。

肩書きも変わります

株式会社の代表者は「代表取締役」。合同会社は「代表社員」です。名刺にもそう刷ります。

「代表取締役になりたかった」という理由で株式会社を選ぶ方は、実際にいます。正当な動機だと思います。会社は自分の人生を賭ける場所です。名乗りたい肩書きで名乗ればいい。

群馬で会社を設立するなら

高崎市で設立するなら、定款認証は高崎公証役場、登記申請は前橋地方法務局高崎支局です。前橋市なら本局。創業融資を考えるなら、日本政策金融公庫高崎支店。設立登記が終わっていなくても、事前相談はできます。

設立の手続き自体は、難しくありません。難しいのは、その後どう資金を回すかです。私は学生時代、伸びている会社が資金繰りで倒れるところを目の前で見ました。売上は伸びていた。それでも潰れました。

だから設立の手続きだけを請け負うことはしません。融資も、税務も、その先の資金繰りまで見ます。公認会計士・税理士・行政書士を一人で持っているのは、そのためです。

株式会社か合同会社か。迷ったら、事業の中身を聞かせてください。会社設立のご依頼はこちら