高崎市・群馬県の創業支援制度まとめ|補助金・制度融資・利子補給【群馬・高崎】

「補助金って、うちでも何かもらえるんでしょうか」

創業のご相談で、資金の話になると必ず出てくる質問です。ただ、この聞き方だと大事なものを取りこぼします。高崎で創業する方が使える公的な支援は、補助金だけではないからです。

実際には4つの層に分かれています。お金を借りる制度、借りたあとの負担を消す制度、先に取っておくと条件が良くなる資格、そして補助金。金額のインパクトが大きいのは上の2つで、多くの方が最初に気にする補助金は、実はいちばん当てにならない層です。

そして、動く順番を間違えると使えなくなるものがあります。この記事では高崎市と群馬県の制度を層ごとに整理して、どの順番で手をつけるべきかを書きます。

高崎の創業支援は4階建てになっている

最初に全体像を置いておきます。

・1階 融資 高崎市・群馬県・日本政策金融公庫の3つ

・2階 負担軽減 高崎市の保証料補助と利子補給

・3階 資格 特定創業支援等事業の証明

・4階 補助金 群馬県と国の補助金

下の階ほど確実で金額が大きく、上の階ほど不確実です。それなのに相談では4階から話が始まることが多い。順番が逆です。

1階|借りる制度は3つある

高崎市創業支援資金

高崎市が独自に持っている融資制度です。意外に知られていませんが、条件は3つのなかで最も良い部類に入ります。

・融資限度額 5,000万円

・利率 年1.3%以内(信用保証付は年1.0%以内)

・融資期間 10年以内(融資後2年以内の据置可)

・対象 市内に新たに本店と事業所を置いて事業を始める方、または事業開始後1年未満の中小企業者

ただし運転資金は、仕入額や外注費、従業員給与などのおおむね3か月分が限度です。限度額5,000万円という数字だけを見て運転資金を厚く借りようとすると、そこで止まります。設備投資が中心の創業に向いた制度です。

申込みは高崎市の融資制度取扱金融機関ですが、その前に商工振興課金融担当で融資確認書の資格要件確認を受ける必要があります。契約や発注の前に相談してください。

群馬県創業者・再チャレンジ支援資金

県の制度融資です。創業前の方はBタイプかDタイプを使います。限度額はB・C・Dタイプが3,500万円、創業後5年未満の方が使えるAタイプが4,500万円(うち運転資金2,500万円)。利率は責任共有制度対象で年1.85%以内、対象外で年1.8%以内です。

女性・34歳以下・55歳以上の方はB-3タイプで保証料が0.25%引き下げられます。Dタイプはスタートアップ創出促進保証を使うため経営者保証が不要になりますが、税務申告1期未終了なら創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要です。

日本政策金融公庫 新規開業・スタートアップ支援資金

限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)。運転資金の返済期間は10年以内で据置期間は5年以内。自己資金要件は2024年の改正で撤廃されています。運転資金を厚く必要とする事業なら、公庫がいちばん組みやすい制度です。

3つの制度の使い分けと併用の考え方は公庫と保証協会付き制度融資の違い|群馬での使い分けに詳しく書きました。

2階|利子と保証料を消す高崎市の制度

高崎市の「創業者融資保証料補助金及び利子補給金」です。金額で見れば、高崎で創業する方にとって最も効く制度がこれです。

・信用保証協会に支払った保証料を全額補助

・融資を受けた日から5年間の利子を全額補給

対象になる融資は、高崎市創業支援資金、群馬県創業者・再チャレンジ支援資金、政府系金融機関が実施する融資制度、そして民間金融機関がこれらに準じた条件で行う創業資金です。公庫も入ります。

つまり高崎市創業支援資金を信用保証付の年1.0%以内で借りて、この制度を使えば、最初の5年間の金利負担も保証料も市が持つことになります。ここまで手厚い自治体は多くありません。

要件は、過去に事業歴がなく融資時点で創業前または創業後1年未満であること、市内に主たる事業所(法人は本店も)を置くこと、許認可を済ませていること、市町村税を完納していることの4つです。

そして落とし穴があります。交付認定申請書は、対象となる融資を受けた日から1か月以内に提出しなければなりません。融資が実行され、開業準備がいちばん忙しい時期です。私が融資のご相談を受けたとき、実行が決まった段階で必ずこの話をするのはそのためです。

3階|先に取っておく「特定創業支援等事業の証明」

ここがいちばん見落とされます。

高崎市は産業競争力強化法に基づく創業支援等事業計画の認定を受けていて、一定の支援を受けた方に市長名の証明書を出しています。計画の認定連携事業者は高崎商工会議所、高崎信用金庫、しののめ信用金庫です。

取得ルートはいくつかありますが、実際に使われているのは高崎商工会議所が主催する創業塾です。1回聞いて終わりの講演会ではなく、経営・財務・人材育成・販路開拓の4分野を一定期間にわたって複数回に分けて学ぶ構成になっていて、規定の回数を受講すると証明の対象になります。もうひとつのルートとして、高崎市産業創造館の創業準備室に入居してインキュベーションマネジャーの継続支援を3か月以上受ける方法もあります。

私自身もこの創業塾を受講しました。内容は創業の教科書的なもので、すでに実務を知っている人間には既知の話も多い。それでも受ける価値はあります。証明が取れることに加えて、同じ時期に高崎で創業しようとしている人たちと同じ部屋に座ることになるからです。あの場で顔を合わせた人と、その後も仕事の話をしています。

この証明があると、次の扱いを受けられます。

・会社設立時の登録免許税が半分になる(株式会社は最低15万円が7万5千円、合同会社は最低6万円が3万円)

・無担保・第三者保証人なしの創業関連保証を、事業開始の6か月前から使える

・公庫の新規開業・スタートアップ支援資金で貸付利率の引下げ対象になる

さらに、小規模事業者持続化補助金の創業型は、この証明を受けていることが応募要件になっています。3階を飛ばすと4階の一部が使えません。

注意点は時間です。3か月以上の支援が前提なので、思い立ってすぐ取れるものではありません。しかも登録免許税の軽減は設立登記のときに使うものですから、証明が間に合わなければその分は戻ってきません。会社設立をお考えなら、設立の手続きに入る前にここから動く必要があります。設立そのものの流れは会社設立サポートのページにまとめています。

4階|補助金は当てにしない前提で狙う

群馬県の起業支援金は、現在は「ぐんまクロススタート補助金」という名称で運用されています。補助率2分の1、上限200万円。ただし地域課題の解決と高い成長性を求める枠で、交付予定は5名程度です。県全体で5名です。

国の小規模事業者持続化補助金の創業型は、補助率3分の2、上限200万円。こちらは先ほどの特定創業支援等事業の証明が要件です。公募回ごとに締切があるので、商工会議所で最新の回を確認してください。

どちらも申し込めば通るものではありません。そして補助金は後払いです。採択されても、経費を自分で払い切ってから、報告書を出して、審査を経て入金されます。開業から入金まで半年以上かかることも普通にあります。

だから資金計画に補助金を組み込んではいけません。補助金は「取れたら翌年の投資に回す」くらいの位置づけにして、事業が回る資金は融資で確保しておく。この設計にしていない創業計画は、採択が外れた瞬間に成り立たなくなります。

動く順番|創業6か月前から逆算する

整理すると、高崎で創業する方の動き方はこうなります。

1. 創業の6か月前 高崎商工会議所の創業塾の開催時期を確認し、特定創業支援等事業の証明を取りに行く

2. 3か月前 創業計画書を作り、融資の相談を始める

3. 設立時 証明を使って登録免許税の軽減を受ける

4. 融資申込 高崎市・群馬県・公庫のどれで、いくら借りるかを決める

5. 融資実行から1か月以内 商工振興課に利子補給の交付認定申請を出す

6. 開業後 補助金の公募を見て、取れそうなものに応募する

1と3の順番が逆になっている方をよく見かけます。設立を済ませてから証明の存在を知って、登録免許税の軽減を取り逃す。これがいちばん多い失敗です。

窓口は次のとおりです。融資と利子補給は高崎市商工観光部商工振興課金融担当(市庁舎13階/027-321-1258)。創業塾は高崎商工会議所 中小企業相談所(027-361-5171)で、開催時期は年度によって変わるため早めに確認してください。産業創造館のルートを使う場合は高崎市産業創造館(027-320-2808)です。

高崎で創業をお考えの方へ

制度の一覧を知ることと、自分の事業でどれを使うべきかを決めることは別の作業です。どれだけ借りるか、いつ設立するか、証明を取りに行く時間があるか。ここは事業の中身と開業予定日で変わります。

ミノラス会計事務所では、創業計画書の作成から金融機関との調整、設立手続き、融資実行後の高崎市への申請まで一貫してお手伝いしています。事務所の考え方は代表挨拶をご覧ください。

受講する側として創業塾に座っていた人間として、いつかはあの場に講師として立ちたいと思っています。高崎で創業する人が増えて、その人たちが続いていくこと。それが事務所としてやりたいことの中心にあります。

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